ココロの漢方

20代の時に風景写真の為に北海道から小笠原まで住み込みながら全国を放浪し、町工場の溶接工からホテルマンなどをやってきた、薬局で働く現役の漢方大好きで風変わりな薬剤師が、ドラッグストアや通販で手に入る漢方やメンタル面、ランニングや呼吸などによって自身を整えていく考え方や独自の価値観を紹介しています。

桜が使われている漢方「十味敗毒湯」〜皮膚系の2本柱、十味敗毒湯と消風散について〜

上旬に寒かった影響もあり、葉っぱに押されつつも4月下旬の関西でまだ桜の花が咲いているのに驚きます。

 

寒の戻りさまさまですね。

 

故郷の桜(8日頃に撮影)

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日本人に深く愛される、桜。

 

富山にいた時、雪深く鉛色の空から開放されて、青空の下に咲く桜を見ると、必ず春は来るもんや感慨深くなったものです。

 

桜といえば、ドラッグストアにある漢方で桜の使われている漢方があります

 

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)です。

 

僕なんかは、乾燥していて頭のフケが異様に出る時なんかに使います。

 

桜の木の皮ということで、

 

桜皮(おうひ)

 

という生薬として配合されています。

  

桜皮は皮膚系の炎症を抑えたりする役割を持っていて、十味敗毒湯は消風散(しょうふうさん)とともに皮膚系の病気の大切な漢方薬です。

 

消風散にも、面白い生薬が入っていますが、あえて言わないでおきます(笑)

 

十味敗毒湯、消風散はドラッグストアでも販売されており、皮膚系の病気への二本柱とも言える重要な漢方薬です。

 

少し、解説をしてみたいと思います。

 

 

 

十味敗毒湯の構成生薬を、添付文書をスクショしたものを見てみましょう

 

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クラシエ版の十味敗毒湯(ツムラ版は、オウヒの代わりにボクソクという、クヌギなどの樹皮を使っています)

 これは、もともとは荊防敗毒散というカゼの処方をアレンジしたものです。

 

※ちなみに桜皮を使ったのは、紫雲膏や全身麻酔で有名な華岡青洲さん

 

ボクソクを使ったのは、浅田飴で有名な浅田宗伯さんです。

 

今の漢方があるのは浅田宗伯さんらが明治政府の漢方廃止方針に猛反対したのもありますので、漢方をやる身としては知っておかなければならない人です。

 

荊芥や防風、桜皮などは、解表という、頭痛や解熱からかゆみ等の皮膚の表面的な症状などを治すものを解表剤というのですが、こうした解表の生薬から

 

桔梗と甘草のような、排膿に働く生薬

 

がパッと目につきます。

 

続いて、消風散を見てみましょう。

 

消風散は、応用範囲が広くて常備薬にしたい漢方に入れようか悩むくらい便利なものになります。

 

消風散の構成生薬を見てみます

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ツムラ版の消風散。クラシエ版は蒼朮ではなく、白朮になっています。

 

一番特徴的なのは、蒼朮(そうじゅつ)という利水の生薬

 

木通(モクツウ;アケビのつる)も利水作用があります。

 

続いて、白虎加人参湯や辛夷清肺湯にも含まれるあのコンビ

 

blog.omoshiro-yakuzaishi.fun

 

白虎加人参湯の記事でも紹介した、知母と石膏の冷やす系のコンビ(今回は抗炎症)

 

そして、荊芥や防風、牛蒡子、センタイといった解表の生薬

 

当帰や地黄、ゴマは、乾燥しすぎるのを防いで、潤す作用もあります。

 

潤す作用を抜くために、煎じの場合はゴマを抜いたりします。

 

要するに、かゆみを止めて、ある程度の炎症を抑えて、オーバー状態の水を抜くということ。

 

かゆみ止めの効果が強いこと、利水の生薬の有無が大きな違いでしょう。

 

十味敗毒湯と違い、利水の生薬が配合されているので水分の多い、ジュクジュクの症状に使えます。

 

虫に刺されて膨れてきて、かゆくてたまらん時にも使えます。

 

蚊のように5分で終わるものではなく、数日続くアブやブヨのような強烈なものです。

 

消風散は麻黄附子細辛湯や越婢加朮湯とともに山登りなどアウトドアには持参したい一品。

 

これが、常備薬に入れようか悩んでいる理由でもあります。

 

蕁麻疹のかゆみ(赤い色のものが出る)は、知人の場合、出てきてから飲んで、30分から1時間程度で効くと言っています。

 

十味敗毒湯は、強く利水に働く生薬が入っていませんから、ジュクジュク系には不向きとなります。

 

茯苓が入っていますが、利水作用は弱いとされています。

 

なので十味敗毒湯は、乾いているときに用いることになります。

 

僕なんかは前述のように、春先の空気が乾いた時に、髪の毛を払うとふわ~っと雨のように粉のようにフケが落ちるときに飲みます。

 

そう、桜の咲く頃の・・・

 

実際、病気を持っている方はおわかりかと思いますが、本のようにどれか単独の症状だけということは、僕もそうですが、まずありません。

 

なので、場合によっては、

 

この2つを合剤にして、比率を変える先生もいらっしゃることかと思います。

 

赤く腫れ上がったものには麻黄と石膏の組み合わせ(例:越婢加朮湯)や黄連解毒湯などを入れたりと、

 

 

カゼの参蘇飲でも紹介したベース感覚、つまりトッピング前提のプレーンピザのように消風散や十味敗毒湯を使えるということです。

 

 

簡単な解説にとどめますが、消風散については、日を改めて解説したいなと思います。

 

 

日本人に馴染みの深い桜ですが、ちゃんと漢方にも生きてますね^^

 

 

ちなみに桜皮に使われる桜はソメイヨシノではなく、ヤマザクラのようです。

※サムネの写真は、小笠原諸島の桜です。

 

 

P.S.

 

思えば、放浪していた関係で日本各地で色んな桜を見てきました

 

2月。小笠原諸島の緋寒桜だったか寒緋桜だったか、どちらか(笑)

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北海道に多かった、桜。ピンクが濃くて、葉っぱが多いのが特徴でした。

 

※ちなみに枝が折れてるのは、年間10メートル近く雪が降る特別豪雪地帯だけに、雪の重みだと思います^^; それでも毎年花を咲かせて、たくましい。。。

 

そして、この枝の折れ感がまた、今見ると、北海道の自然の厳しさを感じられるので6年前のオレよく構図に入れていたと褒めてやりたい(笑)

 

普通は花を強調するために構図から外します。

 

そして、

 

安心してください、折ってませんよ〜(とにかく明るい安村さん風)

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同じく、北海道の標高の高いところに生えていた桜。なんと6月30日(笑)

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こういう写真を思い出すと、その時のことを思い出すので

 

やっぱり、思いついたときにパシャパシャ撮っておきたいですね^^

 

後から、過去を遡って撮れることはありませんから。。。