ココロの漢方

風景写真の為に北海道から小笠原まで住み込みながら放浪し、町工場の溶接工からホテルマンなどをやってきた少し変わった薬剤師が、健康を保つために漢方を自分で使えるようになるための考え方や、ドラッグストアレベルの漢方を使っての日々の健康管理、価値観を独自の視点からつづるブログです。

英語の"In order to" と葛根湯のはなし【前編。構成生薬;麻黄と桂皮(枝)】

記事を全部読んだら、健康寿命が10年位伸びるんちゃうかな〜と思いながら漢方系の記事を書いていますが

 

その中で、僕がよく言ってるのが

 

「(漢方薬の)※構成生薬を知っていれば、応用が効く」

 

「※構成生薬の組み合わせと分析」

 

です。

 

※構成生薬・・・色んな生薬を組み合わせて漢方薬が作られますので、その漢方薬に含まれる、芍薬や甘草など各々の生薬のことです。

 

 

〜には、〜湯!だと、全く応用が効かないんですね〜^^;

 

 

 

 タイトルに戻りまして。

 

「英語のIn order to と葛根湯」

 

何やら無関係のようですが、そうではありません。

 

英語のin order to の場合

 

order単独では注文する、命令するなどの動詞として

 

また、ドラマにもありましたが、"law and order"の「秩序」という名詞にもなり得ます。

 

しかし

 

in と to がつくことにより

 

in order to で 〜するために という全然違う意味にもなります。

 

構成生薬も同じで、それぞれの組み合わせで見ていくと、まあ、面白いです^^

 

ドラッグストアで、おそらく売っている方も買う方もよくわかっていないランキング1位(!?)の

 

葛根湯を例にとって、考えてみたいと思います。

 

葛根湯の構成生薬は

 

葛根(カッコン)

 

麻黄(マオウ)

 

桂皮(もしくは桂枝;ケイヒorケイシ)

 

芍薬(シャクヤク)

 

甘草(カンゾウ)

 

生姜(ショウキョウ)

 

大棗(タイソウ、ダイソウ)

 

です。

 

この中でも

 

普段、葛根湯を使う上で知っておくといい考え方として

 

麻黄と桂皮(枝) →今回

 

芍薬と甘草 → 後編

 

について解説していきたいと思います。

 

まず葛根湯は、カゼ薬ではありません!!

 

カゼのときは、発汗一発療法といって、一言で言えば汗を出して楽になるための「補助」として使いますが

 

初期も初期

 

寒気がする

 

汗が出ていない(寒気がしてるので当然といえば、当然ですが)

 

やたら、首筋や肩甲骨あたりが凝る

 

体力を消耗するのと、麻黄の副作用を考えて、

 

妊婦さん、小さな子どもさん、高齢者はダメ

 

というヒジョーに限られた場合にしか使えません。

 

葛根湯と発汗一発療法について詳しくはこちらの記事から。

 

blog.omoshiro-yakuzaishi.fun

 

葛根湯の発汗一発療法は、難易度は高いですが、知っていれば一生使えるものすごく大切な考え方なので、この記事を理解するためにも、一読をおすすめします。

 

以上の条件で、汗を出す「補助」と書きましたが

 

麻黄と桂皮(枝)の組み合わせには、なんと発汗作用があります。

 

上の関連記事にも書きましたが、汗を出すのを葛根湯に頼るのではなく

 

厚着をする

 

熱〜い、うどんをすする

 

暖房を効かせて、マフラー巻いて、ニット帽かぶる

 

など、

 

人間の側の、汗を出す努力が必須になります

 

葛根湯がなくて、使える条件に当てはまっていれば、うどんや厚着、暖房で応用が効きます。

 

というよりも、使える条件に当てはまっていれば、厚着、うどん、暖房で汗を出す努力をしつつ、葛根湯でさらに汗を出やすくしてやるイメージを僕は持っています。

 

そして 葛根にも、汗を出す作用があります。

 

麻黄は単独では、気管支拡張や咳止めにもなります。

 

西洋薬系の風邪薬で、メチルエフェドリンはその効果を期待して配合されています。

 

※鼻炎薬で、プソイドエフェドリンというのが入っている場合がありますが

 

プソイド=シュード は偽物という意味です。

 

エフェドリンは、麻黄の主成分

 

つまり、偽エフェドリンってことです。

 

あれは、血管を収縮して鼻づまりをとるもので、咳止めの作用はありません。

 

あとは、利水作用もあります。

 

これを利用して石膏と組み合わせて、ヒリヒリと赤く熱を持って腫れたものの炎症を抑える役割があります。

 

麻杏甘石湯、ドラッグストアにある分では、麻杏甘石湯に桑白皮(ソウハクヒ)を足した

 

五虎湯(ごことう)が麻黄と石膏の組み合わせを使う漢方薬になります。

 

僕は、カゼをこじらせてゲッボーと気管支の奥から来るような強烈な咳と、色のついた痰が混じる時に、小柴胡湯とこの五虎湯、さらに、あれば抗生物質と桔梗石膏も組み合わせて使っています。

 

小柴胡湯の半夏で咳止めと、五虎湯の麻黄と石膏で赤く腫れ上がった熱を取り、小柴胡湯の柴胡と黄芩、五虎湯の桑白皮で腫れ上がっている気管支の炎症を抑えていくイメージを持っています。

 

麻黄1つとっても、これだけ色々な作用があるので組み合わせを、英語のイディオムのように知っておけば応用が効きます。

 

※麻黄は、要注意生薬の1つです。

 

blog.omoshiro-yakuzaishi.fun

 

 

生薬単独の薬効は、その場でスマホでグーグル検索すれば出てきますが

 

組み合わせは、その組み合わせの「存在」を知っていないとどうにもなりません。

 

今回は、葛根湯の麻黄と桂皮(枝)の例から派生して

 

麻黄と石膏のパターンも紹介しました。

 

 

 

次回は、葛根湯に含まれる

 

芍薬と甘草

 

を絡めて書いていきたいと思います✨

 

 

 

↓過去に小川先生(日本人初のチベット医かつ日本の薬剤師免許も所有)と行った、葛根湯と大建中湯をつくるワークショップでの写真。

 

甘草は、炙甘草を使用。

 

麻黄は、薬機法と副作用の観点から考えて使わずに、麻黄と見た目も交感神経興奮させる効果も似ていて、麻黄のエフェドリン同様、構造にN原子を含むアルカロイドであるカフェインを含むことから

 

緑茶で代用しています。(思いつかれた小川先生さすがです。)

 

お茶に、生姜とシナモンとナツメと葛と炙った甘草入れた感じになるので

 

発汗作用はありませんが、安全を期して。

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