ココロの漢方

20代の時に風景写真の為に北海道から小笠原まで住み込みながら全国を放浪し、町工場の溶接工からホテルマンなどをやってきた、薬局で働く現役の漢方大好きで風変わりな薬剤師が、ドラッグストアや通販で手に入る漢方やメンタル面、ランニングや呼吸などによって自身を整えていく考え方や独自の価値観を紹介しています。

腰痛には漢方を♪

最近、腰痛を訴える方の悩みを何人も聞いているのですが

 

検査・診断や救急・外科が素晴らしい西洋医学でも

 

腰痛は西洋医学の苦手な分野になります。

 

理由は、わりと単純で

 

西洋医学には「冷え」の対策をするという概念がないからだと考えています。

 

アレルギー性鼻炎の鼻水の滝も、腰痛もその根源にあるものは

 

「冷え」です。

 

腰が痛いという人で確認するのは、脚を冷やしていないかということ。

 

脚自体は冷えに強いのですが、脚で冷えた血液が全身に回ると至る所で障害を引き起こします。

 

特にお腹は冷えにめっぽう弱いのです。

 

僕は、特に関節に関しては漢方でも冷やす系のものはあかんと思っていて、通導散など効果が強力であっても、冷やす系の漢方薬は使わないほうがいいと考えています。

 

 

冷えが原因か、熱が原因か

 

 

探る方法は「どういうときに、マシになるか?」です。

 

 

温めるとマシになるものは、冷えが原因です。

 

 

冷えが原因なら、温めてやればいいのです。

 

 

腰痛の場合で冷えが原因なら、その第一選択は、五積散(ごしゃくさん)です。

 

 

もう、これで効かなかったら附子を足すか、それでも駄目ならエキスでやるなら治打撲一方に附子末でも入れて瘀血を取ってやればいいと思います。

 

コタローさんの添付文書を例によって、スクショして分析します。

 

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なぜ、コタローさんにしたかと言うと原典に忠実に作っているというのと、乾姜が入ってますね。これが重要なんですが、ツムラさんのものには乾姜が入っていません・・意味ないよ〜^^;

 

ネットでも何でも乾姜を探してきて、添付文書や本の標準使用量を考えて、量を加減して煎じて飲むのが一番良さげですね。生姜湯みたいなもので、体もポカポカ温まりますし。味は保証できませんが^^;

 

英単語・イディオム方式や因数分解でもなんでも、生薬の組み合わせを見ると、おなじみの漢方がいっぱい入っていることがわかります。

 

まず、甘草と乾姜

 

乾姜は生姜を蒸して干したものですが、内臓を温めることに特化しています。

 

この2つで甘草乾姜湯といって、温める系の基本骨格です。

 

エキス製品は存在しませんし、煎じでも単品で使うことはないと言われています。

 

人参湯や苓甘姜味辛夏仁湯や小青竜湯など温める方に働く漢方薬にはしっかりと組み込まれています。

 

こういう理由で、乾姜の入っていない五積散は

 

気の抜けたコーラ

 

みたいなものと捉えていいと思います。

 

陳皮・半夏・茯苓・生姜・甘草

 

これらは、二陳湯ですね。余分な水分をうまいことさばいてくれます。

 

次に

 

茯苓・乾姜・白朮・甘草

 

これで、苓姜朮甘湯です。下半身が水風呂に使っているみたいに冷える人、冷え性でトイレ(小)の回数が多い人向けのものになります。あとは、人参湯と組み合わせてヨダレの多い子供さんにも使えますね。

 

甘草乾姜湯の骨格も持っています。

 

ちなみに、五積散には桂皮も入っているので乾姜の代わりに桂皮を入れると

 

苓桂朮甘湯になります。

 

桂皮・芍薬・生姜・大棗・甘草

 

これらは、桂枝湯です。弱いウイルスを叩き出せる程度の弱い発汗力がありますが、個人的には淹れたての熱いシナモンチャイで代用が効くと思っています。

 

これに麻黄と葛根を足せば葛根湯です。五積散には麻黄が入ってますので、葛根湯や麻黄湯に近いものにもなり得ます。

 

当帰・芍薬・川芎・白朮・茯苓

 

これは、当帰芍薬散からタクシャを抜いたものです。ほとんど、当帰芍薬散です。

 

当帰芍薬散は、鼻水の滝系アレルギー性鼻炎の体質改善になるくらい、余分な水分を抜き、血の巡りを良くして身体を温めます。

 

あと温める漢方薬としては意外ですが

 

枳穀・芍薬・桔梗・甘草・生姜・大棗

 

これらは排膿散及湯です。

 

蒼朮・厚朴・陳皮・生姜・大棗・甘草

 

これで平胃散です。

 

半夏・厚朴・茯苓・生姜ときたら、これは半夏厚朴湯から紫蘇葉を抜いたものですし

 

生姜・半夏・茯苓ときたら、小半夏加茯苓湯です。

 

 

もう、いっぱい組み込まれていることがわかります。

 

 

それも少量ずつですが。

 

 

要するに、

 

 

余分な水分(湿)を抜く

 

身体を温める

 

 

という方向に働くことは間違いないと構成生薬の分析でわかります。

 

 

多くの生薬で幅広く多方面に効かせることができますし、何なら麻黄と桂皮の発汗効果や胃薬、半夏や厚朴という咳止めに、排膿散及湯に含まれる桔梗や枳穀(もしくは枳実)といった去痰の生薬で

 

量を加減すれば温める方向に働く「カゼ薬」としても、応用ができますね。しかも胃薬もいっぱい入ってますから胃にもやさしい。

 

 

 短時間、どうしてもこの数時間だけは腰の痛みを取りたいんだという、頓服の荒業としては

 

芍薬甘草湯に附子を足すという裏ワザもあります。経験者曰く、2時間程度効くようです。附子の量は加減が必須です。芍薬は冷やす方向に働くので、それをカバーするためにも附子末は最低でも1gは必要かと思います。

 

 

腰痛は冷えが原因であることが多いと思いますが

 

 

僕が感じることは

 

 

「余分な水分(湿)が溜まっている人が多い」

 

 

ということです。

 

 

甘いものが好きで出不精だったり、お酒が好きだったり。

 

 

温めるだけでなく、余分な水分を抜いてやる

 

甘いものやお酒を減らして、軽くでいいから日頃から運動する

 

 

これらもまた、腰痛対策で重要なのではないかと思っています。

 

 

☆今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます^^