ココロの漢方

20代の時に風景写真の為に北海道から小笠原まで住み込みながら全国を放浪し、町工場の溶接工からホテルマンなどをやってきた、薬局で働く現役の漢方大好きで風変わりな薬剤師が、ドラッグストアや通販で手に入る漢方やメンタル面、ランニングや呼吸などによって自身を整えていく考え方や独自の価値観を紹介しています。

あるとないでは全然違う!? 生薬の王さま「大黄さま」のはなし

その昔、漢方の名医の先生に対してある人が質問をしました。

 

 

「先生、数ある(数百種類)生薬の中で1つ、生薬を選ぶとしたら何ですか?」と。

 

 

質問力が人生を変えるという人もいますが、本当だと思います。

 

 

先生答えて曰く、、、

 

 

 

「それは、大黄や」と。

 

大黄(だいおう)というのは、一般的には瀉下作用(お通じを良くする)があるということは大黄甘草湯という漢方薬があるため、便秘に良さそうな生薬だと知っている人も多いと思います。

 

しかし、大黄には別の非常に面白い一面もあります。

 

それが、抗炎症作用と駆瘀血剤の作用を強めること

 

だと思います。

 

まず、駆瘀血剤の作用を強めること。

 

そもそも、瘀血(おけつ)とは何かということから話が始まりますが

 

瘀血を一言で言うと

 

「瘀血の存在を知っているだけで、人生の質が格段に向上する」

 

ということです。

 

微小循環障害などといかにも西洋医学っぽい言い方で言われることもありますが

 

瘀血は、西洋医学で対処することは不可能です。

 

漢方の独壇場です。

 

そして、万病の元でもあります。

 

詳しくは以下の記事に任せますが

 

blog.omoshiro-yakuzaishi.fun

 

瘀血の特徴として、例えば

 

検査結果正常、でもいろんなわけのわからん症状が出る

 

原因不明で長年苦しんでいるものがある(わけのわからん頭痛など)

 

自己免疫疾患

 

産後のわけのわからん症状

 

ギックリ腰や打撲

 

最低血圧が100を超える高血圧

 

痛みが昼はマシで、夜に強くなる

 

刺すような痛み(例:帯状疱疹の痛み)

※実際、帯状疱疹の痛みには駆瘀血剤を使います。

 

などなど。キリがありません。

 

大黄の入っていない桂枝茯苓丸などの駆瘀血剤と、通導散や治打撲一方などの大黄の入った駆瘀血剤とでは

 

効果の強さがまるで違います。

 

自身、工具の使いすぎでバネ指という、西洋医学的には手術しか方法がないと言われる労災レベルの病気になったことがあり、試したことがあるのですが

 

桂枝茯苓丸では治りませんでしたが、

 

大黄を含む、桃核承気湯を飲んで治りました。

 

瘀血を駆瘀血の生薬が吸収して、胆汁とともに腸管に排泄するのを大黄が手助けしているのではないかと言われています。

 

実際、駆瘀血剤を効かせる方法として、急性期の打撲などには大黄を含む駆瘀血剤を使って、わざと下痢をさせるような飲み方をするのですが

 

トイレでの一発目は、体力的にも嗅覚的にも強烈です(失礼!)

 

でも同時に、ああ効いたなとわかります。

 

それだけ、瘀血が溜まっていたのでしょう。

 

この特殊な飲み方は腹痛とオナラと下痢、日中の多数のトイレ参りが確定なので個人レベルか、信頼関係が相当できていないと難しい治療法ですが

 

僕自身や身内の間では、よくやる方法です。

 

 

 

もう一つの、抗炎症効果ですが

 

有名な漢方薬が

 

三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)です。

 

連、芩、大という、三つの「黄」を含む生薬から成るため、そういう名前がついています。

 

鼻血など鼻より上の止血であったり、二日酔いの後の胃炎であったり抗炎症効果を期待して使いますが

 

この場合の大黄は、お通じではなく抗炎症効果を考えて使います。

 

 痛みが強めの胃炎には西洋医学のガスター®などのH2ブロッカーやネキシウム®などのPPIと言われる胃酸分泌抑制薬と、痛み止めに四逆散を、抗炎症効果を期して半夏瀉心湯を多めに使うものですが

 

僕はわりと胃を傷めやすくて、こういう時には胃酸分泌抑制薬(だいたいガスター®)とともに、

 

四逆散の変法であり、柴胡と黄芩の抗炎症効果も期した大柴胡湯と黄連解毒湯を使っています。

 

抗炎症効果のない四逆散と違って、痛み止めと抗炎症を1つでまかなえるのが大柴胡湯の強み。

 

ところで、一般的な大柴胡湯には大黄が1g入っています。

 

かつて、どんなものかと大柴胡湯「去」大黄という

 

文字通り大柴胡湯から大黄を抜いたコタローさんだけが作っているエキス剤で試したことがあります。

 

結論から言うと

 

効果が目に見えて違った

 

ということです。

 

心窩部の痛みが目に見えて取れていったのは、大黄の入った大柴胡湯でした。

 

大黄があるかないかで、こうも違うのかと感心した記憶があります。

 

黄連解毒湯にも黄連と黄芩が入っていますので、大柴胡湯由来の大黄をあわせれば、三黄瀉心湯の加減にもなります。

 

一般的には大柴胡湯は胆嚢炎で使われますが、やはり大黄が分泌液の排出に一役買っているのではないかと思います。

 

便秘に関係なく、効果を強める必要があれば大黄入のものを使う必要があるということです。

大黄の注意点としては、その副作用です。

 

原則、妊婦さんや授乳中の方は避けていただいて

 

シクシクという腹痛(甘草で和らげます)、オナラが増える、一時期は卵の腐ったようなにおいになる、トイレ参りの回数がかなり増える、場合によっては下痢する

 

ということを予め知っていれば、耐えられるといえば耐えられます。

 

それでも大黄の量を、その人のお通じの具合で調整するのは必須です。エキス1日7.5g分飲めばいいというものではありません。

 

僕は実際の服薬指導で、精神的な負担が少しでも下げられたらと思ってこういう副作用を予めお伝えしています。

 

他にも子供のアトピーの体質改善で補中益気湯の煎じに、お通じの様子を見ながら微量の大黄を入れるとか

 

副鼻腔炎で膿を出す時に、葛根湯加川芎辛夷に桔梗石膏と少量の大黄を入れてやる

 

 

など、大黄を便秘以外の理由で使うことはよくあります。

 

 

Drスランプアラレちゃんのキャラで、ニコちゃん大王という名古屋弁をしゃべるキャラがいましたが、ニコちゃんに言わせれば

 

まさに、大黄は

 

生薬界の「大黄さま」だがや〜

 

ニコちゃん大王 ぬいぐるみティッシュカバー
 

 

ちたま(地球)の資源をせっせこ回収するニコちゃん大王は、こちら↓


ニコちゃん大王|①チタマの資源をうばい取るニコちゃん大王

 

※ちなみに、ニコちゃん大王は靴を履いている足の部分が耳になります。グラサンかけてる家来とヒソヒソ話をするときは、靴を脱いでやります。どうでもいいか・・・。

 

 

 ☆今回も、最後までお読みいただきありがとうございます^^