前回、継続のチカラなんぞというタイソウな記事を書いたわりには、
一週間経ってしまった・・・
最近、走っていると、鼻水が出てくるのです(T_T)
夜には、雨漏りで屋根裏が腐って垂れた古民家の天井のように喉の粘膜が厚ぼったく腫れてきて、
耳の奥が、かゆ〜く感じる
あれ? 花粉症かな?
今の季節なんやろ?
そういえば・・・
道端にわっさわっさと白い、普段見かけないものがあったような・・・
あ、ヨモギや。
花粉症は、最初は季節性なんですが、そのうち年がら年中、色んな植物で発症するようになります。
富山の杉地獄に始まった花粉症
今度は、ヨモギです。
せっかくなので、ヨモギについても書いてみたいと思います。
ヨモギは、艾葉(ガイヨウ)という生薬として
芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)
という漢方に含まれる分が一番有名ですね。
ツムラでいうと、77番です。
止血を期待した漢方ですが、ここから派生していったのが
当帰、芍薬、川芎、地黄のそう、四物湯(しもつとう)
これを血虚と言われる病態に応用していくことです。
四物湯は単独で使われることはほぼなく、色んな漢方薬の基本骨格になっています。
僕が、お世話になっている一貫堂の荊芥連翹湯もこの四物湯と黄連解毒湯がベースになったものです。
芎帰膠艾湯は、四物湯に加えて艾葉と甘草と阿膠という生薬が入ったものです。
艾葉はヨモギ、甘草はよく聞く甘草、阿膠(あきょう)は、動物の真皮を煮詰めて作るゼラチン質のものです。
ほら、北海道などでよく聞く
「車乗ってて鹿にぶつかったら、車は廃車だけど鹿は元気そうに逃げていく」
というアレです。
動物の皮(真皮;しんぴ)には、そういう止血に関する効果がある成分が含まれているらしく
野生動物の生命力のまさに「神秘」(うまい!?)を借りたとも言えるのが阿膠です。
ドラッグストアにある分では、猪苓湯(ちょれいとう)にはアキョウが入っており、
例えば尿路結石で尿潜血(+)結果になったときの止血に使います。
血尿クラスなら四物湯を合剤にしますが、ツムラでいうと112番の猪苓湯合四物湯ですね。
四物湯は、血虚ということで
足りないという意味のみならず、というかそれ以上に
内分泌・自律神経の異常
これこそが血虚であるとして、特に女性特有の病気には
芎帰調血飲第一加減など、四物湯ベースの漢方を使うことで治療を進めていく先生方も多いと思います。
四物湯(しもつとう)には、止血、血の巡りを良くする、自律神経・内分泌系の調整、※足りないという意味での血虚対策など
※ややこしいですが、貧血は血虚ではありません。浸透圧が下がってむくみが出てくるとだるくてしんどくなるので、意外と人参配合のものを使う、気虚となります。
多様かつ一見すると、相反する作用も持ち合わせることから
西洋医学にない強みとして、この先必ず着目されるであろう漢方だと思います。
女性に良いというイメージの漢方として特に有名な、ドラッグストアにもよく置いてある
当帰芍薬散の構成生薬6つのうち、半分の生薬は
当帰、芍薬、川芎と四物湯から、冷やす作用のある地黄を抜いた四物湯加減であると言えます。
今や血虚の方剤として有名な四物湯も、大元を辿ればこのヨモギの含まれた止血剤の芎帰膠艾湯なのです。
と、ヨモギはここまでにして。
僕も、見分けのつかないカワラヨモギというのがあるんですが
日本にも生えているそうですが、こればかりは名人と一緒に行かないとわかりません(T_T)
このカワラヨモギの先っぽに咲く小さな花を集めたのが
茵蔯蒿(いんちんこう)
という生薬になります。
黄疸といえば茵蔯蒿というくらいの茵蔯蒿。
ツムラでいうと135番です。
茵蔯蒿湯というものですね。
こちらは黄疸はもちろん、特殊な例としては
魚肉ソーセージとか、青魚とかイカ・タコにエビなどを食うと決まって蕁麻疹が出る人
こういう食事性蕁麻疹という場合に、小柴胡湯と併せて茵蔯蒿湯を使います。
ヨモギといっても、春先はお餅にしても美味しいし
乾かせばお灸に使えるモグサ(艾)にもなる
以前いた集落のマムシ取りの名人は、その辺に生えてるヨモギをちぎってマムシの肉をしごいて臭みを取ってたし
ワークショップをなんぼでもやれるヨモギの可能性たるや面白いものがあります。
それにしても、、、
花粉症さえなければな〜笑
☆今回も、最後までお読みいただきありがとうございます^^