ココロの漢方

20代の時に風景写真の為に北海道から小笠原まで住み込みながら全国を放浪し、町工場の溶接工からホテルマンなどをやってきた、薬局で働く現役の漢方大好きで風変わりな薬剤師が、ドラッグストアや通販で手に入る漢方やメンタル面、ランニングや呼吸などによって自身を整えていく考え方や独自の価値観を紹介しています。

蕁麻疹と加味逍遥散のはなし

蕁麻疹(じんましん)は、本当にいろんなパターンがあってややこしいです

 

冷えによるもの(寒証)なのか、熱を持っている(熱証)なのか

 

その原因は何なのか

 

こういったものを考えていって、試みていくしかありません。

 

今回は、その蕁麻疹の中でも

 

加味逍遥散(かみしょうようさん)

 

が効いた話をしてみたいと思います。

 

また、大人の喘息治療に使う大柴胡湯と

 

ドラッグストアにある加味逍遥散と蕁麻疹の不思議な(?)関係についても書いてみたいと思います。

 

※効果には個人差がありますので、予めご了承ください。

 

 

夜中に、突然現れる辛さ・・・

 

夜中に、腕や足に小さな赤い蕁麻疹ができて、これが異様にかゆいと言います。

 

それこそ、寝れないくらいに。

 

寝る前に、身体を洗っても

 

五苓散をのんでも

 

補中益気湯をのんでも

 

何をしても出る・・・

 

夜中に起きては、消風散を

 

ひどいときは、同じ寝れないなら痒さより、麻黄の副作用でと、消風散に加えて越婢加朮湯も

 

のむ日々。

 

でも、これでは根本的な解決になりません。

 

話を聞いていると、どうにもストレスが重なっているようなのです。

 

集合住宅の上階の住人の早朝からの謎の音

 

慣れない環境での生活

 

こういうことの積み重ねが色々と心労になっていたようです。

 

気管支喘息や原因不明の数種類の頭痛も持っていたので

 

まず通導散で一度下してから、一ヶ月程度続けてもらっていました。

 

謎の頭痛はほぼ消え、喘息は大人の場合は瘀血も絡んでいますからこの治療にもなります。

 

そこで、頃合いと体調を見て

 

喘息の治療に切り替えることにして、

 

喘息(熱証)の咳には

 

・麻黄(けいれん性の咳には麻黄;妊婦さんや心不全の人は絶対ダメ)

 

・厚朴(気管支の平滑筋のけいれんを止める)

 

・地竜(ぢりゅう;これも、けいれん性の咳や炎症を止めます)

 

が大事なのです。

 

大人の場合は柴朴湯では治りませんので、これらの配合された漢方を使います。

 

地竜は、酷かったら入れようと思って今回は抜いて

 

大柴胡湯と半夏厚朴湯をのんでもらうと

 

ものの数日で、ほとんど咳が出なくなりました。

 

そして例の夜中の蕁麻疹は、ストレスからではないかと考えて

 

また、本人が2種類以上併せて飲みたくないということで

 

大柴胡湯と黄連解毒湯

 

を寝る前だけ飲んでもらうことにしました。

 

結果として、これがよく効いたのか、夜中に蕁麻疹が出ることは初日から無くなりました。

 

通導散、大柴胡湯、黄連解毒湯と来て、冷やす系の生薬や枳実のせいで負担がかかっていると思い

 

寝る前は、加味逍遥散と脳動脈硬化症型頭痛対策の釣藤散に切り替えましたが

 

blog.omoshiro-yakuzaishi.fun

 

 

これも効いたのか、飲んだその日から蕁麻疹が出ることはなくなりました。

 

 

ただ、本人曰く、大柴胡湯と黄連解毒湯のほうが効いている感じがするそうですが^^

 

 

これだけで終わると、応用が効かないので

 

 

大柴胡湯と加味逍遥散の関係

 

 

これを、いつものように生薬を英単語&イディオムのように考える方式で見ていきたいと思います。

 

 

大柴胡湯の構成生薬は

 

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大柴胡湯の構成生薬

となっており

 

パッと目につくものでいえば

 

 

柴胡(大量)と黄芩→炎症を押さえる

 

半夏と生姜→半夏の咳止め、吐き気止め

 

喘息ならこれでいいのですが

 

 

柴胡と芍薬と枳実

 

 

この組み合わせはそう、四逆散から甘草を抜いたものです。

 

 

四逆散は、抗ストレスというかイライラを抑えていく作用があります。

 

 

特に柴胡は自律神経を調整する作用があるとも言われております。

 

 

四逆散の変法と見ることができそうですね。

 

 

次に、加味逍遥散を見てみます。

 

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加味逍遥散の構成生薬

 

これも、ありますね〜「柴胡と芍薬と甘草」

 

四逆散から、今度は枳実を抜いたものです。

 

四逆散の変法と見る考え方ができます。

 

加えて血の巡りを良くする、婦人の妙薬と言われる当帰(トウキ)

 

〜朮や茯苓は利水、そして茯苓には鎮静の効果もあります。

 

サンシシ(山梔子)、ボタンピ(牡丹皮)も鎮静・抗炎症など、抑える方向に働きます

 

つまり、

 

・四逆散の変法や、サンシシやボタンピ、薄荷(ハッカ)などでストレスやイライラを抑える方向に

 

・当帰で血の巡りを良くしつつ、利水系の生薬で体内の水分バランスも調整していく

 

 

そんなイメージが、構成されている生薬からつきます。

 

 

最初に、大柴胡湯に黄連解毒湯を併せましたが

 

 

オウレンとサンシシには、高ぶった心を静めていく作用があります。

 

 

また、黄連解毒湯のオウレン、オウゴンと大柴胡湯のダイオウで三黄瀉心湯となり、これも鎮静の効果や抗炎症の効果を持ちます。

 

  

☆注意事項として、枳実(キジツ)は、消化管内の食物をパパっと送り出していく作用が強いため、体力のない人は栄養が十分に吸収されないこともあり、負担がかかるので使用の際には要注意となりますし

 

妊婦さんにとって枳実は、下へ下へと降ろしていく作用が強いので要注意の生薬になります。

 

 

量にもよりますが、たくさん含まれているものは避けた方がいいと思います。

 

 

☆今回、構成生薬を分析してわかる鍵となる漢方は、、、

 

 

四逆散(しぎゃくさん)

 

 

大柴胡湯と黄連解毒湯

 

加味逍遥散

 

 

いずれも、抗ストレスの四逆散の変法を応用したものです。

 

  

 

その漢方がどういう生薬で構成されていて、どういう働きをしているのかを考えることで

 

 

色々と応用が効くようになる

 

 

そんなことを改めて、実感することになりました。

 

 

大柴胡湯はともかく、加味逍遥散はドラッグストアにも置かれている漢方です。

 

 

そんな身近な漢方と蕁麻疹の不思議な関係のお話でした。

 

 

☆今回も、最後までお読みいただきありがとうございました^^

 

 

 

※今回は、精神性の蕁麻疹でしたので加味逍遥散など四逆散の変法が功を奏しましたが、蕁麻疹はこれだけではありません。

 

都度、見極めていく必要があります。

 

※追記。年齢や体重などにより、量の加減は必須です。

 

また、睡眠不足になってしまい生活に支障をきたす場合は、まず症状を抑えて日々の生活の質を上げるのが最優先なので、

 

市販のムヒAZ錠のような、抗ヒスタミン剤の併用もオススメします。