ココロの漢方

20代の時に風景写真の為に北海道から小笠原まで住み込みながら全国を放浪し、町工場の溶接工からホテルマンなどをやってきた、薬局で働く現役の漢方大好きで風変わりな薬剤師が、ドラッグストアや通販で手に入る漢方やメンタル面、ランニングや呼吸などによって自身を整えていく考え方や独自の価値観を紹介しています。

小柴胡湯のもう一つの使い方 〜プチうつ(鬱)っぽいときに使える!?〜

小柴胡湯(しょうさいことう)

 

特に子供さんのカゼで、もう吐いて吐いてかなわんとき、もしくはベースとして

 

大人でも、何なら最初から抗炎症と咳止め 兼 葛根湯や麻杏甘石湯など麻黄剤や、抗生剤が胃にこたえたりする時の胃薬代わりにも使える非常に便利な漢方薬です。

 

ドラッグストアの紫パッケージの柴胡桂枝湯は、小柴胡湯と桂枝湯の合剤です。

 

ほぼ、小柴胡湯とみなしていいです。

 

ただし、柴胡と黄芩が小柴胡湯より少なめになっているのと

 

桂枝湯の芍薬も入っているので、柴胡と芍薬と甘草の四逆散の変法として、抗ストレスと言いますか、理気薬としての使い方もできるのが面白いところです。

 

では、もう一つの使い方を見ていきましょう♪

 

 

 

小柴胡湯の構成生薬は

 

柴胡

 

黄芩

 

半夏

 

生姜

 

人参

 

大棗

 

甘草

 

です。

 

英単語&イディオム式で見ていくと

 

・柴胡(大量)と黄芩で炎症を抑えます。

 

半夏と生姜の組み合わせは、サトイモ科の半夏やテンナンショウ(マムシグサ)の副作用を抑えたり、吐き気を抑えます。

 

また、半夏には咳止めの効果があります。

 

人参は身体に水をとどめたり、元気をつけます。

 

甘草、大棗は胃薬の感覚で。

 

 

長期間で使うものではなく、ごく短期間で使うものです。

 

 

ごく短期間ということに限ったとき、この小柴胡湯は別の使い方ができます

 

 

それは、

 

「軽い」ウツ(鬱)状態に使える

 

ということ。

 

プチうつみたいなヤツです。

 

鬱病と確定診断のおりた、重度のものはダメです。

 

普段は元気でも、ものすごいネガティブになるときがあります。

 

この、たま〜に来るネガティブ嵐の原因は

 

睡眠不足(原因ダントツ1位です。大概は寝たら治ります^^;)

 

低血糖(お腹が空いてる)

 

運動不足

 

ホルモンバランスの異常(特に女性の方)

 

が大概の原因ですが

 

これらではない、普段はうつ病と診断されるほどではないし、普通に暮らせてるけど、たま〜〜に来る、この明らかにネガティブで精神的にしんどい感覚

 

こういう時には、疎肝(そかん)といって

 

気を巡らしてくれるようなものが含まれる漢方を頓服でのむと、フッと晴れることがあります。

 

※個人差はあります。

 

ちなみに肝とありますが、肝臓は全く関係ありません。中医学の肝と西洋医学の解剖学的な、我々の知っている肝臓は全く別物と考えたほうがいいです。

 

肝だけではなく、腎や脾なども同じです。絶対に臓器をイメージしてはいけません。

 

 

このプチうつみたいな状態の場合に効く、漢方薬の組み合わせが

 

 

 

小柴胡湯

 

半夏厚朴湯

 

香蘇散

 

この3つをまとめて飲む方法です。

 

 

※大人の方は、医療用の濃さで飲まないと効きが悪いと思います。ドラッグストアの市販品は、柴朴湯も香蘇散も半量で薄い場合が多いので、一包だけでは効きが悪いと思います。もちろん、自己責任にはなりますが。

 

小柴胡湯と半夏厚朴湯の合剤を、柴朴湯(さいぼくとう)と言います。

 

子供さんの喘息はこれの連用で治したりします(気管支が熱を持つ、一般的に喘息といえばこれをイメージするだろうというタイプの喘息)

 

また、百日咳の最初の段階(カゼっぽい症状)で飲んでおけば、あの地獄の咳(僕は経験済みです)を出さずにすむと言われる不思議な漢方が柴朴湯。

 

大人の喘息は、柴朴湯では良くなりませんから、基本的に大人の喘息治療には柴朴湯を使いません。

 

大人は、柴朴湯を別のものに使います。

 

それが、この「気を巡らす」という使い方。

 

この3つを長期で毎日定期的にのむと、さすがに副作用が出る可能性がありますので、たま〜に頓服(とんぷく;症状が出た時だけ飲むこと)で飲みます。

 

構成されている生薬を見ると

 

柴朴湯(=小柴胡湯 合 半夏厚朴湯)の

 

☆柴胡(疎肝の作用があります。自律神経を調整する作用があり、イライラや不安などの感情の動きの異常を抑えます。二回目ですが、肝臓は関係ありません。)

 

半夏厚朴湯の紫蘇葉(シソの葉ですが、気をめぐらす作用があります)

 

厚朴(これも気を巡らす作用があります。)

 

茯苓(利水もありますが、鎮静の作用もあります)

 

甘草や大棗は、甘麦大棗湯というヒステリーの漢方薬が示すように精神的な鎮静の作用もあります。

 

 

香蘇散の

 

☆香附子(こうぶし;気をめぐらす代表的な生薬)

 

名前の通り、こちらも紫蘇葉が入っています。

 

 

香蘇散は、妊婦さんのカゼの初期も初期に、葛根湯の発汗作用が強すぎたり、ショック状態などの副作用を避けるために、

 

妊婦さんは基本的に葛根湯などの麻黄剤を使えないので、香蘇散の紫蘇葉の軽〜〜い発汗作用を目的に使ったりするものですが

 

香附子が比較的多く含まれる漢方薬でもあり、この香附子を目的として香蘇散を入れます。

 

 

 僕なんかは医療用の量で柴朴湯と香蘇散を飲んで

 

 

気づけば、気分が晴れている感覚です。

※効果には、個人差があります。

 

 

ただし、一番の問題点は、、、

 

 

あまりに気分がふさがりすぎて思考が鈍ってしまい、柴朴湯と香蘇散を使うことさえ思いつけないことがあること。

 

 

目につくところに、柴朴湯と香蘇散をセットで置いておくことを勧めます。

 

☆今回も、最後までお読みいただきありがとうございました^^

 

 ↓サイコ(ミシマだと思います)。セリ科なんで、もうキアゲハの幼虫だらけですよ(笑)

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P.S. 小柴胡湯の副作用について。

 

かつて、柴胡と黄芩の副作用で社会問題になったこの小柴胡湯ですが

 

あれは、使う側の無知が招いたものが大きかったと思います。

 

酷い場合になると、

 

肝炎? 9番出しとけ。 9番が何か知らんけど・・・という信じられない感覚で出した場合もあったと聞きます。

 

医療従事者の方で、これには何番が効くの?など、仕事以外でも漢方を番号だけで呼ぶ人がいますが、オススメできません。応用が効きませんしなんか、寂しい感じがします。

 

同じ肝炎でも、途上国でよくあるA型のような急性の、一ヶ月程度のあくまで短期で使うものです。

 

明治維新で漢方は絶滅の危機に瀕しました。

 

今、漢方が生き残っているのは奇跡としかいいようがありません。

 

明治維新の頃の

 

西洋医学こそ科学的で素晴らしい

 

日本のなに? 漢方? 薬草? そんなもん非科学的でダメだ

 

という名残は150年近く経った今も続いていて、医療従事者の間でも、残念ながら漢方は胡散臭いという印象で、あまり浸透しているとは思えない現実があります。

 

医療従事者って体力勝負なんで、皮肉と言ってはなんですが、身体が人一倍丈夫な人が多いですから、病気がちで自分で日々飲むという人は本当に限られています。

 

自分が病気になったりして、漢方であっさり治ったら感動するもんですが^^;

 

漢方を知って正しく使って、悪者にされない時代が来ることを願ってやみません。