ココロの漢方

20代の時に風景写真の為に北海道から小笠原まで住み込みながら全国を放浪し、町工場の溶接工からホテルマンなどをやってきた、薬局で働く現役の漢方大好きで風変わりな薬剤師が、ドラッグストアや通販で手に入る漢方やメンタル面、ランニングや呼吸などによって自身を整えていく考え方や独自の価値観を紹介しています。

漢方でダイエットはできるのか・・・

今回も長文ですが、よく聞かれるダイエットと漢方について

 

ナイシトールなど有名な漢方を、入っている生薬を英単語やイディオムのように分解して効果を予想したり、薬学部で学ぶ学問などを絡めて書いてみました。

 

効果的に行動するために、事前に正しい認識を持っていただくのに役立つと思いますので、お付き合いいただければ幸いです。

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漢方でダイエットはできるのか・・・

 

結論から言うと、

 

多少の助けにはなるかもしれないけど、食事制限と運動なしでは無理

 

です。

 

 

 

漢方で脂肪燃焼できるのかとも聞かれますが、

 

無理です(笑)

 

ここで読むの辞める人多そうな気もしますが

 

完全にダイエットと無関係とも言い切れない部分もあります

 

それは、

 

大食いの人と似たような状態にするということ

 

大食いの人は痩せています。

 

なぜかというと、胃腸が早く動いて栄養吸収する前に送り出してしまうからです。

 

普通の人なら栄養失調になりますが、大食いをすることにより、量でなんとかカバーしているのでしょう。

 

漢方生薬では、こういう働きをもつものもあります。

 

枳実といった理気薬ですね。

 

しかし、枳実は妊婦さん要注意生薬になりますし、枳実を煎じてのめばいいというわけではありません。

 

枳実エキスなんて、アホなものが出てこないことを祈ります。社会問題になりますから。出てきそうな予感しかしないですが。(T_T)

 

じゃあ、ナイシトール®とかコッコアポ®といった防風通聖散はどうなの?

 

ともよく聞きます。

 

これは、ダイオウの作用を身をもって知っている分、

 

普通の人は、まず続かないだろうなと思う漢方です。

 

よくまあ、こんなもの大々的に売り出してるな〜と。

 

お腹ゴロゴロしてきて痛くなって、挙句の果てに下痢してびっくらこいて辞めちゃったってなりそうな気がします。

 

下手すりゃ、夜、寝付きにくくなるかもしれません。

 

防風通聖散だけでなく、

 

漢方薬は発明されてから、古いものなら2000年近く、新しくても数百年くらいが経っており

 

その昔は、食べ物がなくて飢えて困ることはあっても、王侯貴族以外で食べ物が有り余るということはなかったと思います。

 

今や世界有数の飽食の日本でさえ、70年前の戦中戦後、僕ら世代のおじいちゃん・おばあちゃんが子供のころは、食べ物がなくて

 

芋のつるやら、命がけでヤミ米なんて食ってたわけでして。

 

うちの親族も、ヤミ米を命がけで入手して、飢えさせないように頑張ってくれたらしいです。

 

まさに、100年経ってない昔の日本は、火垂るの墓の状態でした。

 

食べ物が余り出したなんてのは、ここ最近の話。

 

なので、漢方にはダイエットを目的とした処方なんて当然ありません。

 

 防風通聖散の構成生薬を見ていくと

 

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書くのが大変なので、コタローさんの添付文書をスクショ(笑)

生薬を英単語やイディオム形式で見ていくと

 

 

上3つ、トウキ、シャクヤク、センキュウは、

 

今回は無いですが、地黄を加えれば四物湯ですから、血の巡りを良くしていくんだろうなと予想できます

 

 

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それから

 

ダイオウ、ボウショウ、カンゾウ

 

この3つは、調胃承気湯(ちょういじょうきとう)と言って、ドラッグストアのクラシエシリーズでは、ワカ末漢方便秘薬として出ているものです。

 

ダイオウは、駆瘀血剤の働きを高めたり、炎症を抑えたりと色んな働きがありますが、調胃承気湯の場合はお通じを良くします。

 

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防風通聖散のんでお腹が痛くなってきたら、ダイオウとトウキのせいです。

 

ボウショウは、病院で出されるカマグと似ていて、塩類下剤と言われるものです。

 

塩類「下剤」です。あとは、言うに及ばず・・・

 

おかげで、ダイオウ単独よりも、出は良くなります。

 

甘草は、ダイオウの腹痛などの副作用を抑えてくれますが、それでも・・・。

 

 マオウとセッコウは、

 

赤く腫れた滲出性炎症を取るもので、ビャクジュツは利水ですから、赤くヒリヒリ腫れた炎症をとり、残った水を利水する越婢加朮湯のような働きが期待できそうですね。

 

お通じが悪い人は、下にも書いていますが、水分を大腸から吸収する際、何日も溜まったものから水分を吸い上げるので、あまり身体に良くないものも全身に巡ってしまいます。

 

皮膚が赤くなって、変な症状が出たりします。

 

こういうものには、このマオウやセッコウ、各種解表・抗炎症の生薬で対処することになります。

 

マオウ=麻黄は、妊婦さんと心不全の人は厳禁です。

 

あと、副作用で夜、寝付きが悪くなるかもしれません。

 

 

キキョウとカンゾウは桔梗湯のような、去痰というか排出の方向に働きそうだなと

 

ケイガイやレンギョウ、ボウフウなどは言わずとしれた、いわゆる「解表;げひょう」という分類に属する生薬です。

 

解表もいくつか働きがあって、頭痛を止めたり、かゆみ止めであったり、炎症を抑えたり、温めて寒気を吹き飛ばしたりしますが、今回は、冷やす・抑えるの方向ですね。

 

サンシシやオウゴン、カッセキは、炎症を抑えるものになります。

 

サンシシはクチナシのことです。

 

炎症を抑える漢方で有名な、黄連解毒湯には、黄連、黄柏、そして今回のオウゴン、サンシシが入っています。

 

★よって、防風通聖散の構成生薬から予想できる効果は

 

お通じをよくして、血の巡りも良くして、色んな形で排出の方向に働き、表面の炎症があれば抑えられる

 

 

こんなところですね。

 

 

 

次に、

 

 

 薬学部では、薬物動態学といって、

 

 

どういう風に吸収されて、どういう風に代謝されて、どういう風に出ていくのかなどということを2回生の一番最初にやりますが

 

主たる(主な)薬物の排泄経路

 

というものがあります。

 

薬なんて、肝臓からすれば、漢方だろうが純米大吟醸3年間氷温熟成の酒だろうが何だろうが異物であり、毒みたいなものですから

 

この排泄経路が、デトックスで大事であることは明らかです。

 

 

一番多い、約9割は・・・

 

 

糞便中排泄

 

 

つまり、お通じです。

 

 

2位の1割は、そう・・・

 

 

尿中排泄

 

 

つまり、オシッコですね。

 

 

あれ??

 

 

デトックスのイメージである汗がない・・・。

 

 

汗は0.数%のミジンコレベルでした。

 

 

汗のもととなる水分は、大腸から吸収されます。

 

 

お通じが悪くて、何日も大腸にとどまっているモノから水分を吸い上げるんです。

 

 

どうなることやら、想像に難くない。

 

 

お通じを良くして、腸内環境を整えた上で汗をかくのは問題ないですが

 

 

お通じが悪い状態で大量の汗をかくということは・・・

 

 

デトックスの基本は、まず、お通じを良くすることです。

 

 

この防風通聖散は、僕は一貫堂の解毒証体質ですが

 

 

同じ一貫堂でも、臓毒証と呼ばれる、若い頃は頑丈で、そのノリで年取ってから長年の暴飲暴食がたたった結果、脳卒中や心臓系の病気を起こしたりしやすい体質のことで

 

 

調胃承気湯や各種解表の生薬で、便秘状態で、結果として腸内に溜め込んでしまうことになる食毒(食事由来の身体によくないもの)を排出しようというものです。

 

 

これが、どう内臓脂肪の燃焼に良いのかさっぱりわかりませんが

 

 

いずれにせよ、

 

 

漢方だけに頼るのはやはり、無理です。

 

 

運動する

 

 

食事制限をする

 

 

など、自分自身にも対策が求められます。

 

 

次回は、運動について、走ることは苦手で、大嫌いな持久走以外で走ったこともなかった僕が、如何にして走る習慣を8年も持つに至ったかを書いてみたいと思います。

 

 

 ☆今回も、最後までお読みいただきありがとうございました^^