ココロの漢方

20代の時に風景写真の為に北海道から小笠原まで住み込みながら全国を放浪し、町工場の溶接工からホテルマンなどをやってきた、薬局で働く現役の漢方大好きで風変わりな薬剤師が、ドラッグストアや通販で手に入る漢方やメンタル面、ランニングや呼吸などによって自身を整えていく考え方や独自の価値観を紹介しています。

僕が漢方を学ぶ上で大切にしていること Part2「なぜ、そうなるのか?という原理原則を押さえる」

以前、漢方を学ぶ上で一番大事なのは

 

自分で飲む

 

と紹介しました。

 

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僕が、漢方でもオカリナでも何事も、学ぶ上で大切にしているのは

 

 

「なぜ、そうなるのか?」という原理原則を押さえることです。

 

 

その上で、自分で試す。

 

 

このためには、〜には、〜湯!では全く応用が効かないと以前、記事にしました。

 

 

そのために、毎度おなじみの英単語&イディオム方式で、漢方薬の構成生薬を分析して、

 

 

つまり、

 

 

真っ先にこの漢方薬にどういう生薬が入っているのかを考えるということです。

 

 

それぞれ生薬単独もしくは、組み合わせの薬効を押さえて、はじめて応用を効かせていくことができます。

 

応用が効かないのは

 

〜には〜湯がいいらしい

 

といったことや

  

〜には、ツムラの○番がいい

 

など、漢方薬ではなく番号読みで、構成されている生薬など考えずに又聞きでやってしまう

 

これでは見当違いや、余計な副作用を起こしてしまう可能性も高くなりますし、応用も効きません。

 

 

 

あと、これは僕が国家試験で使った勉強法でもあります。

 

 

捨てるつもりでいたけど、やっぱり受験することにしたものの

 

11月やし、残り3ヶ月で決め込まなあかん、過去問さえ満足にできないという状況で思いついたのは

 

 

「原理原則を徹底的に押さえる」

 

 

でした。

 

 

これの元ネタは、司馬遼太郎氏の小説「坂の上の雲」の主人公の一人の海軍参謀である

 

 

秋山真之氏が、米海軍のマハン氏と関わるときに、こういう内容が出ていた(はず・・・)と思います。

 

 

得た知識から、自分なりの原理原則を打ち立てよという内容だったと思います。

 

 

しばらく読んでないから、記憶が薄れてきた^^;

 

 

漢方の場合、構成生薬を押さえて、実際にのんで試すというのが、この自分なりの原理原則を打ち立てることにつながると考えています。

 

 

ともかく、3ヶ月という追い込まれた期間のおかげで表面的な丸暗記ではなく、この原理原則を押さえる勉強法を今でも行う癖がつきましたし

 

 

かつ、過去問再出題ゼロ、前代未聞の低合格率だった第100回で、過去2回落ちからの上位成績で逆転合格できたと思います。

 

 

↓当時の参考書の一部。映画「Xメン」のウルヴァリンの爪みたいに、指にペンを何種類も挟んで、ゴロ以上に、なぜそうなるかを徹底的に押さえて勉強していました。

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☆今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました^^

 

 

 

小柴胡湯のもう一つの使い方 〜プチうつ(鬱)っぽいときに使える!?〜

小柴胡湯(しょうさいことう)

 

特に子供さんのカゼで、もう吐いて吐いてかなわんとき、

 

大人でも、何なら最初から抗炎症と咳止め 兼 葛根湯や麻杏甘石湯など麻黄剤や、抗生剤が胃にこたえたりする時の胃薬代わりにも使える非常に便利な漢方薬です。

 

ドラッグストアの紫パッケージの柴胡桂枝湯は、小柴胡湯と桂枝湯の合剤です。

 

ほぼ、小柴胡湯とみなしていいです。

 

ただし、柴胡と黄芩が小柴胡湯より少なめになっているのと

 

桂枝湯の芍薬も入っているので、柴胡と芍薬と甘草の四逆散の変法として、抗ストレスと言いますか、理気薬としての使い方もできるのが面白いところです。

 

では、もう一つの使い方を見ていきましょう♪

 

 

 

小柴胡湯の構成生薬は

 

柴胡

 

黄芩

 

半夏

 

生姜

 

人参

 

大棗

 

甘草

 

です。

 

英単語&イディオム式で見ていくと

 

・柴胡(大量)と黄芩で炎症を抑えます。

 

半夏と生姜の組み合わせは、サトイモ科の半夏やテンナンショウ(マムシグサ)の副作用を抑えたり、吐き気を抑えます。

 

また、半夏には咳止めの効果があります。

 

人参は身体に水をとどめたり、元気をつけます。

 

甘草、大棗は胃薬の感覚で。

 

 

長期間で使うものではなく、ごく短期間で使うものです。

 

 

ごく短期間ということに限ったとき、この小柴胡湯は別の使い方ができます

 

 

それは、

 

「軽い」ウツ(鬱)状態に使える

 

ということ。

 

プチうつみたいなヤツです。

 

鬱病と確定診断のおりた、重度のものはダメです。

 

普段は元気でも、ものすごいネガティブになるときがあります。

 

この、たま〜に来るネガティブ嵐の原因は

 

睡眠不足(原因ダントツ1位です。大概は寝たら治ります^^;)

 

低血糖(お腹が空いてる)

 

運動不足

 

ホルモンバランスの異常(特に女性の方)

 

が大概の原因ですが

 

これらではない、普段はうつ病と診断されるほどではないし、普通に暮らせてるけど、たま〜〜に来る、この明らかにネガティブで精神的にしんどい感覚

 

こういう時には、疎肝(そかん)といって

 

気を巡らしてくれるようなものが含まれる漢方を頓服でのむと、フッと晴れることがあります。

 

※個人差はあります。

 

ちなみに肝とありますが、肝臓は全く関係ありません。中医学の肝と西洋医学の解剖学的な、我々の知っている肝臓は全く別物と考えたほうがいいです。

 

肝だけではなく、腎や脾なども同じです。絶対に臓器をイメージしてはいけません。

 

 

このプチうつみたいな状態の場合に効く、漢方薬の組み合わせが

 

 

 

小柴胡湯

 

半夏厚朴湯

 

香蘇散

 

この3つをまとめて飲む方法です。

 

 

※大人の方は、医療用の濃さで飲まないと効きが悪いと思います。ドラッグストアの市販品は、柴朴湯も香蘇散も半量で薄い場合が多いので、一包だけでは効きが悪いと思います。もちろん、自己責任にはなりますが。

 

小柴胡湯と半夏厚朴湯の合剤を、柴朴湯(さいぼくとう)と言います。

 

子供さんの喘息はこれの連用で治したりします(気管支が熱を持つタイプ)

 

また、百日咳の最初の段階で飲んでおけば、あの地獄の咳(僕は経験済みです)を出さずにすむと言われる不思議な漢方が柴朴湯。

 

大人の喘息は、柴朴湯では良くなりませんから、基本的に大人の喘息治療には柴朴湯を使いません。

 

大人は、柴朴湯を別のものに使います。

 

それが、この「気を巡らす」という使い方。

 

この3つを長期で毎日定期的にのむと、さすがに副作用が出る可能性がありますので、たま〜に頓服(とんぷく;症状が出た時だけ飲むこと)で飲みます。

 

構成されている生薬を見ると

 

柴朴湯(=小柴胡湯 合 半夏厚朴湯)の

 

☆柴胡(疎肝の作用があります。自律神経を調整する作用があり、イライラや不安などの感情の動きの異常を抑えます。二回目ですが、肝臓は関係ありません。)

 

半夏厚朴湯の紫蘇葉(シソの葉ですが、気をめぐらす作用があります)

 

厚朴(これも気を巡らす作用があります。)

 

茯苓(利水もありますが、鎮静の作用もあります)

 

甘草や大棗は、甘麦大棗湯というヒステリーの漢方薬が示すように精神的な鎮静の作用もあります。

 

 

香蘇散の

 

☆香附子(こうぶし;気をめぐらす代表的な生薬)

 

名前の通り、こちらも紫蘇葉が入っています。

 

 

香蘇散は、妊婦さんのカゼの初期も初期に、葛根湯の発汗作用が強すぎたり、ショック状態などの副作用を避けるために、

 

妊婦さんは基本的に葛根湯などの麻黄剤を使えないので、香蘇散の紫蘇葉の軽〜〜い発汗作用を目的に使ったりするものですが

 

香附子が比較的多く含まれる漢方薬でもあり、この香附子を目的として香蘇散を入れます。

 

 

 僕なんかは医療用の量で柴朴湯と香蘇散を飲んで

 

 

気づけば、気分が晴れている感覚です。

※効果には、個人差があります。

 

 

ただし、一番の問題点は、、、

 

 

あまりに気分がふさがりすぎて思考が鈍ってしまい、柴朴湯と香蘇散を使うことさえ思いつけないことがあること。

 

 

目につくところに、柴朴湯と香蘇散をセットで置いておくことを勧めます。

 

☆今回も、最後までお読みいただきありがとうございました^^

 

 ↓サイコ(ミシマだと思います)。セリ科なんで、もうキアゲハの幼虫だらけですよ(笑)

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P.S. 小柴胡湯の副作用について。

 

かつて、柴胡と黄芩の副作用で社会問題になったこの小柴胡湯ですが

 

あれは、使う側の無知が招いたものが大きかったと思います。

 

酷い場合になると、

 

肝炎? 9番出しとけ。 9番が何か知らんけど・・・という信じられない感覚で出した場合もあったと聞きます。

 

医療従事者の方で、これには何番が効くの?など、仕事以外でも漢方を番号だけで呼ぶ人がいますが、オススメできません。応用が効きませんしなんか、寂しい感じがします。

 

同じ肝炎でも、途上国でよくあるA型のような急性の、一ヶ月程度のあくまで短期で使うものです。

 

明治維新で漢方は絶滅の危機に瀕しました。

 

今、漢方が生き残っているのは奇跡としかいいようがありません。

 

明治維新の頃の

 

西洋医学こそ科学的で素晴らしい

 

日本のなに? 漢方? 薬草? そんなもん非科学的でダメだ

 

という名残は150年近く経った今も続いていて、医療従事者の間でも、残念ながら漢方は胡散臭いという印象で、あまり浸透しているとは思えない現実があります。

 

医療従事者って体力勝負なんで、皮肉と言ってはなんですが、身体が人一倍丈夫な人が多いですから、病気がちで自分で日々飲むという人は本当に限られています。

 

自分が病気になったりして、漢方であっさり治ったら感動するもんですが^^;

 

漢方を知って正しく使って、悪者にされない時代が来ることを願ってやみません。

 

 

 

 

 

日本一わかりやすい!? 偽アルドステロン症のはなし♪

※あくまで、僕個人の意見です。意見は十人十色、それは違うと言われても困りますのでご了承ください。

 

甘草の副作用は偽アルドステロン症

 

これは、薬学部で念仏のように唱えて覚えさせられる項目の1つです

 

じゃあ、偽アルドステロン症って何?

 

と聞かれたら、国家試験前に命がけで勉強していた数年前の僕も答えられないと思います。

 

偽アルドステロン症が何かよく考えもせず、危ないような扱いをしていた当時の自分を戒めるためにも、今回の記事を書いてみたいと思います。

 

それは、本当に偽アルドステロン症は甘草の「副作用」なのかということです。

 

 

結論から言うと、甘草の偽アルドステロン症は

 

甘草の主な作用が強く出過ぎた状態

 

つまり、主作用が強すぎて副作用となすの状態であると考えています。

 

白虎加人参湯では、カゼをこじらせて布団をはぎたくなるような高熱で寝なあかんときに、知母と石膏で冷やし、その他の人参、コウベイ、甘草で水を体内に蓄えて、脱水を予防するために使います。

 

偽アルドステロン症の症状が出た例を見ていると、むくみをなんとかしてほしいと訴える人に対して芍薬甘草湯を1日3回満量で、1年近く飲ませていたり(もう、滅茶苦茶^^;)

 

と、本来の使い方をしていなかったり、訳のわからん使い方をしていたりと

 

使う側の無知が招いたものが多い印象を受けます。

 

加えて、長期間の過剰摂取により起こります。

 

甘草でなくとも、塩や砂糖であっても長期間・過剰摂取すれば病気になります・・・。

 

甘草1日量が2.5〜3gを超えるものは、注意が必要ですが

 

それは、芍薬甘草湯や桔梗湯になります。

 

芍薬甘草湯は頓服(=症状が出たときだけ飲む)、桔梗湯はカゼなどで短期間使うものであって、間違っても長期で飲むものではありません。

 

また、長期に使う漢方も、利水(むくんでいたら尿として出す、脱水なら体内に取り込む)の生薬が古人の経験則で配合されていたり、甘草の量が少なかったりと

 

副作用が出にくい設計になっています。

 

例)補中益気湯には白朮が、四君子湯には白朮と茯苓が、抑肝散加陳皮半夏や六君子湯、釣藤散には二陳湯として

 

古人も、甘草を大量に長期間に渡って使うことが体に良くないことを、経験則で知っていたように思います。

 

オリジナル煎じメインの漢方専門医院・相談薬局などの先生方は、この辺は熟知されているので利水の生薬をきちんと配合されるなどの工夫をされています。

 

葛根湯は?と聞かれますが

 

あれも長期で飲むものではなく、発汗一発療法などで一時的に使うものです。

 

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当然、利水の生薬は配合されておらず、気軽に毎日、満量を飲んでいると偽アルドステロン症を起こす確率は上がると思います。 

 

既にむくみがひどかったり、他に病気を持っていて薬を飲んでいれば注意が必要ですが

 

そこまで神経質になるのもどうかと思っています。

 

僕自身、かれこれ漢方を累計kg単位で数年にわたって飲んでいますが、偽アルドステロン症を出したことがありません。

 

麻黄の副作用で食欲が失せるとか胃が荒れるとか、熟地黄で腹が痛くなるとか、当帰でお通じがゆるいとか、そんなもんです。

 

西洋医学の薬をkg単位でのめば、何かしらの重篤な副作用は出ると思いますけど(笑)

 

神経質になりすぎることはないし、長く飲む分は利水の生薬を探してみるといいと思います。

 

これだけやと、なんか少ない気がするので、以下にアルドステロン関連について詳しく書いておきました。

 

結構長いので、お暇な時にでもお読みいただければ幸いです。

 

※あくまで、僕個人の意見です。意見は十人十色、それは違うと言われても困りますのでご了承ください。

 

 

☆今回も、最後までお読みいただきありがとうございました^^

 

 

 

おまけ。【鉱質コルチコイドと偽アルドステロン症の詳細について】

 

 アルドステロン関連について書いていきます。

 

アルドステロンとは、高校生の生物で習う「鉱質コルチコイド」と同じものです。

 

ステロンという名前が示すように、ステロイドになります。

 

オンと名のつくものは、構造にC=Oのケトンの構造を持っています。

 

アルドというのは、アルデヒド基ーCHOのことです。

 

右から2つめ、五角形と六角形の間の「◀=O」がアルデヒド基です。

 

※こういう構造式は、場所によりHを省略していますので、右から2つめの◀=OのところはHが省略されたアルデヒド基です。

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ちなみに、この、六角形や五角形の構造が4つあるこの独特な構造をステロイド骨格と言います。

 

ちなみにアルコールなど、〜オールと名のつくものは、構造にーOHを持っています。

 

女性ホルモンのエストラジオールもそうですね。

 

ジオールのジは英語のdi(英語読み;ダイ)ですから、2つのーOHを持っています。

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エストラジオールの構造。ーOHが2つあります。

このように名前から、構造を推測できます。

 

話を戻し、

 

人間の体ではステロイドホルモンが日々作られていますが、有名な

 

糖質コルチコイド

 

というものは、炎症を抑えたり血糖値を上げるように働きかけたりと内分泌において、大切な仕事をしています。

 

この糖質コルチコイドの人工品こそが、我々がステロイド剤と言って、主に炎症を抑える作用を目的に、塗り薬であったり、飲み薬であったり様々な形で薬として使っているものになります。

 

体で作られる糖質コルチコイド、通称「天然品」は、弱いながらも鉱質コルチコイドの作用も持ちます。

 

鉱質コルチコイドに炎症を抑える作用はないばかりか、以下にも書きますが、血圧が上がったりと、「治療上」はあまりいいことがありません。普段はめっちゃ大事なんですけどね。

 

人工品はその点を踏まえ、分子構造を考えて、特定の場所の構造を少し変えたりすることによって、余計である鉱質コルチコイドの作用を弱くするようにしています。

 

鉱質コルチコイドの作用は、その名が示す通りに体内のミネラルバランスを調整するもので、

 

基本的に、人間にとって「低血圧・低血糖」は危険なものになります。

 

とくに低血糖は、一時的な低血糖であっても、下がりすぎると昏睡状態になるくらい危険なので、糖尿病の薬、ことインスリン製剤などの使用には注意を要するのです。

 

低血圧の場合、めまいや貧血でぶっ倒れるなど、これもやはり良くないので

 

血圧や血糖値を下げすぎない方向に調整します

 

血圧に関わるミネラルは、ナトリウムとカリウムです

 

これは、薬理学などで勉強しますが、ナトリウム・カリウム交換系と言って

 

ナトリウムを血中に増やせば血圧が上がって貧血でぶっ倒れずに済むので、基本的には血圧維持のためにナトリウムを回収する方向に働きかけます

 

代わりに、カリウムが外に出ていくことになります。

 

これが、鉱質コルチコイドの作用です。

 

バランスが取れていればいいのですが、バランスが崩れて危険な状態は

 

血液が「低カリウム・高ナトリウム」の状態になります。

 

 

もし、このバランスが崩れている状態、つまり鉱質コルチコイドの働きが強すぎる場合

 

血液中には、ナトリウムが多すぎる状況ですから、血圧が必要以上に上がります

 

また、カリウムが少ないので「低カリウム血症」という状態になります。

 

塩や砂糖を外に出しておくと、やがて空気中の湿気を吸って、べちょべちょになります

 

これは、塩や砂糖を薄めようとする「浸透圧」の関係によるものです。

 

血液の濃い塩分を薄めるために、水分がいっぱい血液中に増えることになります。

 

これが、「むくみ」と言われる状況になります。

 

静脈は広がりやすく、血液を貯めれる性質があります。

 

重力の影響で、むくめば必ず下半身に影響が出ます。

 

水分が体に過剰にあると、筋肉が痙攣しやすくなります。

 

加えて、だるくなります。

 

こむらがえり、まぶたのピクピクなど筋肉のけいれん、下半身のだるさなどは漢方では体内の水分バランス異常と考えて、利水の生薬を用いてこちらの治療も行います。

 

芍薬甘草湯だけで、こむらがえりが治るわけではありません。

 

あの、ふくらはぎのひきつりは地獄の痛みなので、せめて目の前の症状を取って気分を楽にしてさしあげたいということで芍薬甘草湯が出ているイメージです。根本的な解決は別にはかる必要があります。

 

体内(腎臓)には、糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドがくっつける場所があり、そこにくっついて初めて、オシッコから出ていく予定のナトリウムを、カリウムと引き換えに回収できるようになるのですが

 

本来は、特定の酵素で糖質コルチコイドが代謝(たいしゃ;構造が少し変わって、本来の働きをなくす)されて、糖質コルチコイドは本来の働きを失ってくっつくことができず、鉱質コルチコイドがくっつくいているのですが

 

甘草を大量にず〜〜〜っと摂っている(=慢性的な摂取)と、甘草の成分のグリチルリチン(と同レチン酸)が、その特定の酵素の働きを邪魔して糖質コルチコイドが代謝されなくなってしまい、

 

働きを失わずに済んだ糖質コルチコイドが必要以上に増えて、この場所にくっつくことによってナトリウムの回収の効果が強められて、先程書いたような症状が出てくることになります。

 

文献では、コルチゾールが代謝されてコルチゾンになるのを阻害(≒邪魔)するとあります。

 

ここで言う代謝は

 

コルチゾール(〜オール;アルコール)のーOHを、脱水素酵素である11βHSD2の働きでコルチゾン(〜オン;ケトン)のC=Oにするということで

 

脱水素とか酸化と呼びます。

 

たったこれだけで、性質が変わってしまうのです。

 

有名な話では、お酒のアルコール(エタノール)が酸化(水素原子を2つ抜く)された次の段階が、二日酔いの元凶のアセトアルデヒトで、これをさらに酸化して、お酢(酢酸)に変えるのと同じです。

 

要するに、まとめると

 

長期で大量に甘草を摂る

糖質コルチコイドを代謝する酵素の働きを、甘草の成分が邪魔してなくしてしまう

糖質コルチコイドがやたらと増える

ナトリウム回収の働きが強くなる

血液中にナトリウムが異様に増えるがゆえの症状が出る

 

 

ということです。

 

 

事件は会議室ではなく、腎臓で起こっていたのでした。

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