ココロの漢方

オカリナを愛し、写真の為に北海道から小笠原まで住み込みながら放浪し、町工場の溶接工からホテルマンなどをやってきた、一風変わった薬剤師があまり知られていない漢方の知識や、漢方を使っての日々の健康管理、多趣味のことなどを幅広く、不定期に気ままにつづります(^^)/

【後編】補中益気湯の5つのこばなし

 

さて、前回の記事はこちら。 

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前編の3つのこばなしは

 

1.気力体力の回復

 

2.内臓の筋肉の引き締め

 

3.免疫の活性化・調整

 

 

でした。

 

 

まず、補中益気湯の構成生薬をおさらいがてら書いておきます。

 

下線引いてあるのが、前回紹介した生薬です 

 

人参(朝鮮)

 

黄耆(オウギ)

 

「白」朮(「ビャク」ジュツ)

 

甘草(カンゾウ)

 

柴胡(サイコ)

 

升麻(ショウマ)

 

当帰(トウキ)

 

陳皮(チンピ)

 

大棗(タイソウ、ダイソウ)

 

生姜(ショウキョウ)

 

 

です。

 

 

4つ目。朮は、白朮を使ってるものが正統派。

 

〜朮(じゅつ)という生薬があります。

 

気力体力を補うもの=補気剤といいます。

 

補気剤のベースとなるもので

 

四君子湯(しくんしとう)というものがあります。

 

単独で使われることはないですが、十全大補湯やこの補中益気湯も四君子湯がベースになっています。

 

こういう、4など数字のつく漢方をまず覚えていくと面白いのですが、これはまた後日に。

 

四君子湯の構成生薬は

 

人参(朝鮮)

 

白朮

 

茯苓

 

甘草

 

生姜

 

大棗

 

の6つ。

 

四君子湯ですが、6つ。

 

このうち、

 

白朮(びゃくじゅつ)

 

蒼朮(そうじゅつ)

 

どちらも、まあ臭いです(笑)

 

蒼朮なんて、袋の中でべちょべちょになっていくし、成分が析出して白くカビってるようにも見えます。

 

両方ともオケラという、

 

ぼくらは、みんな生きているぅ〜♪の虫ではない

 

植物の仲間を使いますが

 

↓オケラの一種かな〜という写真。数年前に薬草園で撮ったもので記憶が怪しいのですが、葉っぱがホソバオケラ(蒼朮)によく似てるんやけどな〜^^; 間違ってたら消します。

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間違ってたら、後日消します(笑)

 

気力体力を補う補気剤ということで、

 

〜朮のうち、補う効果があるのは

 

白朮です。

 

ツムラさんや、JPSさんは蒼朮を使っています。理由は謎ですが。

 

小太郎さんやクラシエさん、三和さんは白朮を使っています。

 

僕は、当然ですが白朮を使っているメーカーさんのものを使いますね。

 

こういう小さな所にも、こだわりたい。

 

 

5つ目。十全大補湯と何が違うの?

 

同じように、気力体力を回復させる漢方としては、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)があります。

 

構成生薬は

 

先程の気力体力を回復をはかる四君子湯ベースの

 

人参(朝鮮)

 

白朮

 

茯苓(ぶくりょう)

 

甘草

 

の4つ。

 

そして、気血水の血(けつ)の補充を担当する

 

要するに、血虚ですね。

 

ちなみに、この血虚

 

足りないという意味以外にも

 

内分泌の異常

 

これも血虚という見方もあります。

 

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さておき、

 

この血虚には

 

四物湯(しもつとう)を使います。

 

四物湯は、

 

当帰

 

川芎(せんきゅう)

 

芍薬

 

地黄(じおう)

 

の4つで構成。

 

そして、

 

桂皮(けいひ)

 

黄耆

 

の2つを加えて

 

以上10個から構成されているので、十全大補湯。

 

朝鮮人参、当帰、桂皮、黄耆で肉芽(体の組織ですね)の増殖を促す効果もあるみたいです。

 

要するに、気以外に、この血(けつ)を補う効果があるかどうか。

 

補中益気湯は、補血効果のある当帰も入っていますが、主に気

 

十全大補湯は気と血

 

の回復をはかります。

 

↓当帰、、、セリ科の葉っぱと花の形なんで、当帰のはず^^;

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え? それなら十全大補湯一択とちゃう!?

 ※ちゃう→関西弁で「〜と違うの?」

 

となりそうですが、

 

一択ではないです。

 

個人的にその理由として「地黄」があります。

 

地黄には、2種類あって十全大補湯に使う地黄(熟)は、滋養強壮効果があります。

 

僕なんかは、滋養強壮ならぬ、ジオウ強壮なんて覚えていますが(笑)

 

北斗の拳のラオウみたいで「強そう」!?→キョウソウ・・・

 

・・・。

 

それはさておき、、、

 

この地黄、実は本当に弱っているときには

 

胃にこたえて、食欲がなくなり食べれないので、余計に弱っていくという悪循環に陥ることがあります。

 

つまり、本当に弱っているときに十全大補湯をのむと

 

余計に弱る可能性があるということです。

 

そういうときは、地黄の入っていない補中益気湯で気力体力の回復をして食欲が出てきてから十全大補湯に切り替えていくのが王道でしょう。

 

あとは、瘀血を下すには血や体力を消耗するので駆瘀血剤を使うときは、僕は必ず補中益気湯を一緒に使います。

 

補中益気湯には当帰が入ってるので、これである程度の補血効果を期待してということで。

 

※知っていれば人生のクオリティの変わる瘀血(おけつ)の記事は下記。

 

気血の両方を補える、十全大補湯を一緒にのむのも、理にかなっていますね。

 

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補中益気湯は、ドラッグストアにふとぅーに置いてますので

 

ちょっとした、豆知識を書いてみました。

 

医王湯と言われるだけあって

 

これだけ知っているだけでも、

 

僕が漢方系の記事を書く上でのコンセプトである、

 

「10年は、健康寿命が伸びる!?」

 

のではないでしょうか(笑)

 

 

※写真は、いずれも数年前に薬草園見学時に撮影したものです。

 

全く覚えてないわ(笑)

 

画像検索にも引っかからないので

 

メモと一緒に撮っておけば、と激しく後悔^^;

 

 

医王湯こと補中益気湯の5つのこばなしの、おさらい。

 

1.気力体力の回復

 

2.内臓の筋肉の引き締め

 

3.免疫の活性化・調整

 

 4.本来は、白朮を使う

 

5.十全大補湯との違いは、地黄の副作用に注意と、血も補えるか。