日本一ナマケモノの薬剤師(自称)、広瀬謙典のぶろぐ

北海道から小笠原諸島まで全国放浪歴あり、日本一ナマケモノ(自称)薬剤師「広瀬謙典(けんすけ)」のブログです。漢方薬局にいたこともあります。好奇心の赴くまま、色んな経験を積み、過去の経験から、せっせこ溜め込んできた知恵や知識などをつらつらとブログとして書きます(^^)/  結果として、元気になった、勇気づけられたなら幸いです。 今年度内の独立起業を目指して、ジャグリングのできる薬剤師にもなるべく富山のすみっこで少しだけがんばっています

五苓散(ごれいさん)。あまり知られてないけど、家庭の常備薬にすべき漢方①

五苓散(ごれいさん)は、もう、絶対に常備薬にすべきです。

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葛根湯の比ではないです。




なのに、ほとんど知られていない・・・。




ほとんど知られていないけど、


重要な漢方薬です。


 
 
これ、何が凄いかというと、、、




そのカバー範囲の広さです。





・二日酔い
 
・乗り物酔い
 
・ノロウイルスなどによる感染性下痢、腸炎や嘔吐からくる脱水症状予防
 
・滲出性中耳炎(自分の声がボワボワと聞こえる不快な、痛くないやつ)
 
・むくみ
 
・めまい
 
・網膜剥離
 
・緑内障
 
・(低気圧接近による)頭痛
 
・気圧低下で脳がむくむことによる高山病予防




など(他剤と組み合わせて糖尿にも使用したりします。)




高山病や網膜剥離などは特殊ですが




二日酔いやノロウイルスなどによる感染性の下痢や嘔吐は、

日常起きうることで辛いものです。




二日酔いは、僕はお酒を飲みませんが


二日酔いで頭痛い〜という人に市販品を二包、シナモンを加えて飲んでもらった所、一時間位で気づいたら痛みがなくなっていたと言っていましたので、効果はあるようです。(もちろん、個人差があるので一概には言えません。)




ノロウイルスなどによる下痢で怖いのは、脱水症状です。




稀に亡くなる方がおられるのは、このためです。




下痢をすると、水分吸収能力が落ちて、脱水傾向になります。




吐いても、本来入るべき水が出て行く事になりますから、やはり脱水の一因になります。



病院の点滴という手がありますが、救急搬送でないかぎり、相当待たされます。



その間に脱水が進行する可能性も十分にあります。




ノロウイルスで厄介なのが、嘔吐を繰り返すものです。


飲んだもの全てを吐きます。薬も例外ではありません。




漢方の世界では、水逆の嘔吐と言い、


これはくず湯のようなものを少しずつ飲むとよいとされています。




水や、煎じ薬の液体は、たちまち吐いてしまいます。




くず湯に五苓散を混ぜ込み、少しずつ飲めば、五苓散は消化管の水を体内にいきやすくさせる作用がありますから、脱水を予防できます。
 

 

点滴を打ちに行く前の応急処置としても使えます。




五苓散の面白いところは、西洋薬のいわゆる「利尿剤」とは異なり



水を出す(むくみをとる、滲出性中耳炎の水を抜く、浮腫(むくみ)をとる)こともできるし



水を体内に引っ張りこむ(腸管の水分を引き込み、脱水予防)こともできる点です。




つまり、その時の状況に応じてはたらきが変わります。




西洋薬の利尿剤は、おしっことして水を「出す」一方で、



急激な脳浮腫などには有効かもしれませんが、
 

脱水に注意が必要になります。



五苓散は、飲んで脱水になることはありません。



水分バランスの調整をしますので、


乾いている所は潤し、


水分が余剰な所は水を抜くという作用を持っています。




錠剤タイプが市販品には多いみたいですが



ノロウイルスのことも考えると細粒(さいりゅう)や顆粒タイプがオススメです。




細粒はさらっとした食卓塩のようなタイプ

 

顆粒は粒の大きい、時々歯に挟まったりするタイプです。



顆粒は、入れ歯の方には相性が良くないので、



入れ歯の方には、細粒タイプがおすすめです。




五苓散の構成生薬は5つで、


4つは利水作用といって水分バランス調整を担うものですが、


のこり一つは、桂皮(枝)=シナモンです。



市販の漢方薬は桂皮(シナモン)は、乾燥段階などで揮発性成分が飛んでしまいます。




そこで、ぼくは桂皮(枝)の含まれているエキス漢方薬にはシナモンを耳かき一杯か二杯分加えてのんでいます。




登山ザックやカメラバッグ、救急箱にくず湯とかっ香正気散(別ページ参照)と共に常備しています。



五苓散の素晴らしい点は、



葛根湯などに含まれる

★麻黄(マオウ;寝れなくなったり、胃が荒れたり)や




DSでよく見かける

柴胡加竜骨牡蛎湯
(さいこかりゅうこつぼれいとう;ストレス多い人とか安眠とかうたってる)

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
(ナイシトール®など)

響声破笛丸(きょうせいはてきがん)

などに含まれる

★大黄(ダイオウ;副作用:腹痛、下痢)


桂枝茯苓丸や疎経活血湯に含まれる、駆瘀血(くおけつ)剤

★桃仁(とうにん)=妊婦さん絶対ダメ。マジで。


などなどのような、 



注意を要する生薬

が一切入っていない、


のが五苓散です。


強いていうなら、シナモンアレルギーと添加物のアレルギーでしょうか。


小さなお子さまにも安心して使えます。


とりあえず、箱の裏見て


①自分が「のまないでください」の項目にあたってないか

②麻黄、大黄、桃仁は入ってないか


をチェックして、相談されることをオススメします



※ちなみに、

麻黄も大黄も桃仁も

めちゃくちゃ大事な生薬です

危険なように書いちゃいましたが、あくまで注意喚起です

特に大黄は

漢方の有名な故人の先生が、漢方の生薬で一番大事なものを1つだけ挙げるとすれば?

と聞かれた時

大黄

と答えた話もあるくらいで。


自分自身、駆瘀血剤の効果は

大黄のあるなしで全然違うのを実感しています。
 
 
 
 
☆追記。
 
 
下痢して、お腹痛い〜ってありますが
 
 
あれを抑えるのが、
 
 
芍薬
 
 
厚朴(こうぼく)
 
 
といった、筋肉を緩める生薬になります
 
 
感染性の下痢で、お腹が痛いときは
 
 
これらを入れますが、元より五苓散ベースに、先程の筋肉緩める生薬や、胃薬になるような生薬が入った漢方薬が
 
 
胃苓湯(いれいとう)
 
 
になります。
 
 
普通に、ドラッグストアに置いてます。
 
 
市販のDSに置いてる分には、厚朴が入ってますね。
 
 
これはこれで、常備をオススメします。
 
 
胃苓湯で腹の痛みが取れなければ、芍薬甘草湯を頓服で足してやるのも手です。
 
関連記事↓

 

blog.omoshiro-yakuzaishi.fun

 




五苓散は、二日酔いや酔い止め、などなど幅広く使えるので使い分けたいところです。


 

おまけ。。。



正直なところ、


ドラッグストアの葛根湯を押しまくる理由がわかりません。


まず、妊婦さんNGっす! 

風邪薬ではないっす!

風邪の症状マシにならないっす! 
 
 
☆妊婦さんものめる、漢方のかぜ薬はこちら↓

 

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カゼの、最初の、それもこわばりや悪寒がして、汗が出ていない時に発汗一発療法をやったり、肩こりや乳腺炎に使うもので、




あ、葛根湯は肩こりによー効きますよ〜、自身、使うのはこればっかり(笑)
 
 
それでも葛根湯を肩こりに使うのは、あくまで頓服のその場しのぎで、毎日使い続けることは避けてください。
 
 

芍薬さまさま。






そもそも発汗一発療法のやり方とセットで売るべきなんですが・・・



そんなやり方の表記など一切なく、カゼ薬扱いになっているので誤解する人が多そうです。



もちろん、葛根湯は常備薬にすべき一品ですが、


カゼで用いる場合は、使える条件(悪寒、無汗、のんでいい人)と発汗一発療法のやり方を覚えることも必須です。

これは、注意喚起がかなり必要なんで、なかなか書く勇気が出ませんね^^;




★最後まで、お読みいただき、ありがとうございました(*^^*)